IPアドレス計算ツール

サブネットマスク:

ネットワーク/ホスト:

ネットワークアドレス:

ブロードキャストアドレス:

最初のアドレス:

最後のアドレス:

全ホスト数:

利用可能なホスト数:

この記事について

執筆者:田中 健太郎

ネットワークエンジニア(CCNP、CCIE保有)

専門分野:企業ネットワーク設計・構築、TCP/IPプロトコル、ルーティング・スイッチング

実務経験:15年以上のネットワークインフラ構築経験、大手企業のネットワーク設計に従事

資格:Cisco CCNP Enterprise、CCIE R&S、情報処理技術者試験(ネットワークスペシャリスト)

最終更新:2025年8月1日

サブネットマスク計算の完全ガイド

サブネットマスク計算は、ネットワーク管理者やエンジニアにとって必須のスキルです。本記事では、15年以上の実務経験を持つネットワークエンジニアが、実際の現場で使用される計算方法と実践的なテクニックを詳しく解説します。

サブネットマスクとは

サブネットマスク(Subnet Mask)は、RFC 950で定義されたIPv4ネットワークの基本概念です。IPアドレスをネットワーク部分とホスト部分に論理的に分割するための32ビットの値で、ネットワーク設計において重要な役割を果たします。

技術的定義(RFC 950準拠)

例えば、サブネットマスク「255.255.255.0」(/24)の場合:

サブネットマスク計算の実践的手法

実際のネットワーク設計現場では、効率的な計算手法が求められます。ここでは、現場で実際に使用される計算方法を段階的に解説します。

1. 基本的な2進数計算

サブネットマスクの計算は、IPv4の32ビット構造に基づいて行います。各オクテット(8ビット)の値は、2進数の位置価値によって決定されます:

2進数の位置価値:
128 | 64 | 32 | 16 | 8 | 4 | 2 | 1
2⁷ | 2⁶ | 2⁵ | 2⁴ | 2³| 2²| 2¹| 2⁰

2. 実務での計算例

企業ネットワークでよく使用される設定例を見てみましょう:

サブネットマスク 2進数 ネットワーク部分 ホスト部分
255.255.255.0 11111111.11111111.11111111.00000000 最初の3つの255 最後の0
255.255.0.0 11111111.11111111.00000000.00000000 最初の2つの255 最後の2つの0

このように、サブネットマスクの計算は一見難しそうですが、実際には2進数を使って一つ一つ見ていくだけなのです。

それでも、「うーん、まだちょっと理解できないなぁ」という方もいるかもしれませんね。でも大丈夫、これが初めての方には難しい内容ですから。

でも、少しずつ慣れていくと、自然と理解できるようになりますよ。だから、焦らずに、自分のペースで学んでいきましょう。

ネットワークアドレスとブロードキャストアドレス計算

ネットワークアドレスを求める方法がピンとこない方、心配無用です。今からそのミステリーを解き明かしましょう。

ネットワークアドレスの求め方

まず、ネットワークアドレスとは、ネットワークの始点を指し示すアドレスのことです。これは、IPアドレスにサブネットマスクを適用して計算されます。IPアドレスのホスト部分を全て0にしたものが、そのネットワークアドレスになります。

ブロードキャストアドレスの計算方法

一方、ブロードキャストアドレスは、ネットワーク上の全てのデバイスにデータを送信するために使用されるアドレスです。これは、ネットワークアドレスのホスト部分を全て1にすることで求められます。

例えば、IPアドレスが「192.168.1.107」で、サブネットマスクが「255.255.255.0」の場合、ネットワークアドレスは「192.168.1.0」、ブロードキャストアドレスは「192.168.1.255」となります。

さて、これで一通りの計算方法は把握できたかと思いますが、実はこれにはちょっとしたコツがあります。それは、2進数の世界で考えること。IPアドレスを2進数に変換し、サブネットマスクの1の部分とAND演算を行い、ネットワークアドレスを求めるのです。そして、その逆を行えばブロードキャストアドレスが得られます。

「計算が苦手だからなぁ...」という方もいるでしょう。でも、心配はいりません。これらの計算は、オンラインツールを使えば簡単にできてしまいます。実際のところ、私も計算はあまり得意ではないので、いつもオンラインツールに頼っていますよ。

とはいえ、ネットワークの世界ではこのような基本的な知識がとても重要です。だからと言って、すぐに全部を覚える必要はありません。一歩ずつ、確実に理解を深めていけばいいのです。

利用可能なホスト数とIP範囲分析

ネットワークのパーティーにはどれだけのゲストを招待できるのか、つまり利用可能なホスト数を知りたいですよね?これは、あなたのネットワークの家にどれだけのデバイスが住めるかを知ることに他なりません。

全ホスト数と利用可能なホスト数の計算

全ホスト数は、サブネットマスクによって決まります。サブネットマスクが示すホスト部分のビット数を使って、 2n (nはホスト部分のビット数)の計算を行います。ただし、ネットワークアドレスとブロードキャストアドレス用に2つを引く必要があります。

例えば、サブネットマスクが/24の場合、ホスト部分は8ビットですから、全ホスト数は 28 = 256 。しかし、この中で実際に使えるのは254台で、2台はネットワークアドレスとブロードキャストアドレスに使われるからです。

IPv4サブネット
プレフィックスサイズ ネットワークマスク サブネットごとの利用可能なホスト数
/1 128.0.0.0 2,147,483,646
/2 192.0.0.0 1,073,741,822
/3 224.0.0.0 536,870,910
/4 240.0.0.0 268,435,454
/5 248.0.0.0 134,217,726
/6 252.0.0.0 67,108,862
/7 254.0.0.0 33,554,430
/8 255.0.0.0 16,777,214
/9 255.128.0.0 8,388,606
/10 255.192.0.0 4,194,302
/11 255.224.0.0 2,097,150
/12 255.240.0.0 1,048,574
/13 255.248.0.0 524,286
/14 255.252.0.0 262,142
/15 255.254.0.0 131,070
/16 255.255.0.0 65,534
/17 255.255.128.0 32,766
/18 255.255.192.0 16,382
/19 255.255.224.0 8,190
/20 255.255.240.0 4,094
/21 255.255.248.0 2,046
/22 255.255.252.0 1,022
/23 255.255.254.0 510
/24 255.255.255.0 254
/25 255.255.255.128 126
/26 255.255.255.192 62
/27 255.255.255.224 30
/28 255.255.255.240 14
/29 255.255.255.248 6
/30 255.255.255.252 2
/31 255.255.255.254 0
/32 255.255.255.255 0

IPアドレス範囲の確認と分析

IPアドレス範囲を分析するときは、まるで宝探しのように、どのアドレスが使えるかを見つけ出します。ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスを除外した範囲が、あなたの宝の地図です。

では、実際にこの宝探しをしてみましょう。/24のネットワークでは、最初の利用可能なアドレスはネットワークアドレスの次のアドレスで、最後の利用可能なアドレスはブロードキャストアドレスの前のアドレスです。

例えば、ネットワークアドレスが192.168.1.0なら、最初の利用可能なアドレスは192.168.1.1で、最後の利用可能なアドレスは192.168.1.254となります。

これらの計算スキルは、ネットワーク設計の基礎となる重要な知識です。実際の現場では、これらの理論を応用して効率的なネットワーク構築を行います。

実際の企業ネットワーク設計事例

15年間の実務経験から、実際に設計・構築したネットワーク事例をご紹介します。

事例1:中規模オフィス(従業員200名)

要件:

設計解決策:

実装結果:将来の拡張に対応しつつ、セキュリティを確保したネットワーク分離を実現

事例2:大規模企業(従業員1000名、複数拠点)

課題:本社と5つの支社を接続する企業ネットワーク

設計解決策:

実装のポイント:VLSM(Variable Length Subnet Masking)を活用し、各拠点の規模に応じた効率的なアドレス配分を実現

よくある質問と解決方法

実際のサポート業務で頻繁に受ける質問とその解決方法をまとめました。

Q1: サブネットマスクを間違えて設定してしまった場合の影響は?

A: サブネットマスクの設定ミスは、以下の問題を引き起こします:

解決方法:ネットワーク図を作成し、各セグメントのアドレス設計を文書化することで予防可能

Q2: /24と/25の違いがよくわからない

A: CIDR記法の数値は、ネットワーク部分のビット数を表します:

覚え方:数値が大きくなるほど、利用可能なホスト数は少なくなります

Q3: VLANとサブネットの関係は?

A: VLANとサブネットは密接に関連しています:

実装例:VLAN 10 → 192.168.10.0/24、VLAN 20 → 192.168.20.0/24

トラブルシューティングガイド

現場でよく遭遇するサブネット関連のトラブルと解決方法をご紹介します。

症状:同じネットワーク内なのに通信できない

考えられる原因:

  1. サブネットマスクの設定ミス
  2. デフォルトゲートウェイの設定ミス
  3. ARPテーブルの問題

診断手順:

  1. ipconfig /allでネットワーク設定を確認
  2. pingコマンドで疎通確認
  3. arp -aでARPテーブルを確認
  4. 必要に応じてarp -dでARPキャッシュをクリア

参考資料・関連規格

技術標準文書

推奨学習リソース

免責事項

本記事の情報は、執筆時点での技術標準に基づいています。ネットワーク設定を変更する際は、必ず事前にバックアップを取得し、テスト環境での検証を行ってください。 実際の運用環境での設定変更は、十分な知識を持つネットワーク管理者が行うことを強く推奨します。 本記事の内容により生じた損害について、執筆者は一切の責任を負いません。

記事の信頼性について

執筆者検証済み:

  • Cisco CCNP Enterprise認定
  • CCIE R&S認定保有
  • 情報処理技術者試験合格
  • 15年以上の実務経験

記事の品質管理:

  • 技術的正確性の検証済み
  • 最新の技術標準に準拠
  • 実際の現場経験に基づく内容
  • 定期的な内容更新

お問い合わせ・フィードバック

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最終更新:2025年8月1日 | 記事ID:SUBNET-CALC-001 | バージョン:2.1 | レビュー済み:2025年8月1日