勤務年数の数え方完全ガイド:入社日から何年何ヶ月・履歴書・退職金・有給での使い方
勤務年数や勤続年数は、ただ「入社日から今日まで」を数えれば終わりではありません。履歴書、職務経歴書、退職金、有給休暇では、同じ勤務期間でも見方や端数処理が変わります。
この記事では、入社日から何年何ヶ月かを確認する基本から、履歴書での書き方、退職金の勤続年数、有給休暇の継続勤務年数まで、用途別に整理します。単純な日付差を知りたい場合は、既存の経過年数・月数・日数計算ツールで入社日と基準日を入力してください。
先に結論:勤務年数は「何に使うか」で数え方が変わります
日付差を知りたいだけなら、入社日から基準日までの満年数・満月数を数えます。一方、退職金の税務では1年未満の端数を切り上げ、有給休暇では6か月継続勤務と8割以上出勤が最初の基準になります。履歴書では端数を丸めるより、入社・退職の年月を正確に書くことが大切です。
この記事でわかること
- 勤務年数・勤続年数・在籍期間・入社何年目の違い
- 入社日から何年何ヶ月かを数える基本手順
- 履歴書・職務経歴書で勤務期間を書くときの注意点
- 退職金の退職所得控除で使う勤続年数の端数処理
- 有給休暇で見る継続勤務期間とパート・契約社員の扱い
勤務年数・勤続年数とは?まず言葉を整理
勤務年数は、ある会社や職場で働いた期間を広く指す言葉です。履歴書や職務経歴書では「その会社にどれくらい在籍したか」を説明するために使われます。
勤続年数は、同じ勤務先で継続して働いた期間を指すことが多く、退職金、有給休暇、社内表彰、福利厚生などの制度で使われます。ただし、具体的な扱いは制度ごとに異なります。
| 言葉 | 主な意味 | 使われやすい場面 |
|---|---|---|
| 勤務年数 | 勤務した期間を一般的に表す言葉 | 履歴書、職務経歴書、面接 |
| 勤続年数 | 同じ勤務先で継続して働いた期間 | 退職金、有給休暇、社内制度 |
| 在籍期間 | 会社に籍があった期間 | 職務経歴書、人事記録 |
| 入社何年目 | 入社年度から見た数え方 | 社内会話、自己紹介 |
たとえば、2022年4月1日に入社し、2026年4月26日時点で働いている場合、満の勤務期間は4年0か月台です。一方で「入社5年目」と表現することがあります。この2つは意味が違うため、履歴書や退職金の話では混同しないようにしましょう。
入社日から何年何ヶ月を数える基本
勤務年数を数えるときは、最初に開始日と基準日を決めます。開始日は通常「入社日」です。基準日は、現在も在職中なら今日、退職済みなら退職日、履歴書作成なら提出時点など、目的によって変わります。
- 開始日を決める:入社日、配属日、契約開始日など
- 基準日を決める:今日、退職日、履歴書提出日など
- 満年数を数える:何回その日付を迎えたかを見る
- 残りの月数・日数を確認する
計算例:2021年7月15日入社、2026年4月26日時点
2021年7月15日から2025年7月15日までで満4年です。そこから2026年4月26日までは9か月と11日なので、勤務期間は4年9か月11日です。履歴書や職務経歴書では、必要に応じて「約4年9か月」または「4年9か月」と補足できます。
| 入社日 | 基準日 | 満の勤務期間 | 使い方の例 |
|---|---|---|---|
| 2024年4月1日 | 2026年4月1日 | 2年0か月 | 職務経歴書で「在籍2年」と書きやすい |
| 2024年4月1日 | 2026年3月31日 | 1年11か月30日 | 満2年ではない点に注意 |
| 2025年10月15日 | 2026年4月14日 | 5か月30日 | 有給の初回付与前か確認が必要 |
| 2025年10月15日 | 2026年4月15日 | 6か月0日 | 有給休暇の6か月継続勤務の目安 |
日付計算は手入力だとずれやすいため、実際に年月日まで確認したい場合は経過年数・月数・日数計算を使うと安全です。
用途別に見る勤務年数の扱い
勤務年数は、使う場面によって端数処理や確認すべき資料が変わります。まず全体像を押さえておきましょう。
| 用途 | 見るべき期間 | 注意点 |
|---|---|---|
| 履歴書 | 入社年月から退職年月 | 西暦・和暦を統一し、年月を正確に書く |
| 職務経歴書 | 実際の在籍期間・担当期間 | 必要に応じて「3年6か月」などで補足する |
| 退職金の税務 | 退職所得控除で使う勤続年数 | 1年未満の端数は切り上げる |
| 有給休暇 | 継続勤務期間 | 6か月継続勤務と8割以上出勤が基本 |
| 社内制度 | 会社規程上の勤続期間 | 就業規則・退職金規程・社内規程を確認する |
履歴書・職務経歴書での勤務年数の書き方
履歴書では、勤務年数そのものを大きく書くよりも、入社年月・退職年月を正確にそろえることが基本です。西暦と和暦が混在すると読み手が確認しづらいため、どちらかに統一しましょう。
職務経歴書では、採用担当者が経験の長さを把握しやすいように「在籍期間:3年6か月」「営業担当:2年4か月」のように補足すると伝わりやすくなります。厚生労働省のマイジョブ・カードでも、職務経歴シートに期間を整理する項目があります。
履歴書・職務経歴書での書き方例
- 2020年4月 株式会社〇〇 入社
- 2023年9月 株式会社〇〇 退職
- 職務経歴書の補足:在籍期間 3年6か月、法人営業を担当
履歴書で確認したいチェックリスト
- 入社と退職の年月が雇用保険・源泉徴収票などの記録と大きくずれていない
- 西暦または和暦に統一している
- 「現在に至る」「一身上の都合により退職」などの表現を使い分けている
- 職務経歴書で在籍期間や担当期間を補足している
- 短期離職や空白期間について、面接で説明できる状態にしている
1年未満の職歴がある場合でも、事実と異なる省略や書き換えは避けるべきです。短期離職の理由を聞かれる可能性があるため、職務経歴書や面接で説明できるようにしておくと安心です。
退職金・退職所得控除での勤続年数
退職金の税務では、勤続年数が退職所得控除額に関係します。国税庁の説明では、退職所得控除額は勤続年数に応じて次のように計算されます。
| 勤続年数 | 退職所得控除額 |
|---|---|
| 20年以下 | 40万円 × 勤続年数(80万円未満の場合は80万円) |
| 20年超 | 800万円 + 70万円 ×(勤続年数 - 20年) |
重要なのは、勤続年数に1年未満の端数がある場合、その端数は1年に切り上げる点です。たとえば10年2か月勤務した場合、退職所得控除の計算では11年として扱います。
退職所得控除の計算例
勤続10年2か月で退職金を受け取る場合、税務上の勤続年数は11年です。20年以下なので、退職所得控除額は40万円 × 11年 = 440万円です。
勤続22年3か月の場合は23年として扱います。退職所得控除額は800万円 + 70万円 ×(23年 - 20年)= 1,010万円です。
退職金の注意点
退職金の税額は、勤続年数だけでなく退職金額、役員かどうか、短期退職手当等に該当するかなどで変わります。実際の金額は会社の源泉徴収担当者、税理士、国税庁の最新情報で確認してください。
有給休暇で見る継続勤務年数
有給休暇では「何年働いたか」だけでなく、継続勤務と出勤率が重要です。厚生労働省は、労働者が6か月間継続勤務し、その期間の全労働日の8割以上出勤した場合、年次有給休暇が付与されると説明しています。
| 継続勤務期間 | 通常の労働者の法定付与日数 |
|---|---|
| 6か月 | 10日 |
| 1年6か月 | 11日 |
| 2年6か月 | 12日 |
| 3年6か月 | 14日 |
| 4年6か月 | 16日 |
| 5年6か月 | 18日 |
| 6年6か月以上 | 20日 |
パート・アルバイトでも、所定労働日数に応じて年次有給休暇が発生します。正社員と同じ日数ではない場合がありますが、「短時間勤務だから有給はない」と決めつけないようにしましょう。
契約社員や有期契約の場合も、契約更新を繰り返して実態として雇用関係が続いているなら、継続勤務期間が通算される可能性があります。大阪労働局の Q&A でも、2か月契約を更新して3年になるケースでは、実態として継続使用されていれば最初の雇入れ日から通算して年休を付与すると説明されています。
有給休暇の「勤続年数」と履歴書の勤務年数は同じではありません
履歴書では職歴を正確に伝えることが目的ですが、有給休暇では労働基準法上の継続勤務と出勤率が問題になります。契約更新、産休・育休、労災による休業などは、個別の制度ルールに沿って確認しましょう。
休職・産休・育休・契約更新は勤務年数に入る?
この質問は、用途によって答えが変わります。有給休暇、退職金、社内表彰、履歴書では確認すべきルールが違います。
| ケース | 確認するもの | 考え方 |
|---|---|---|
| 産前産後休業・育児休業 | 労働基準法、有給休暇の出勤率 | 有給休暇の出勤率計算では出勤したものとして扱われる期間がある |
| 私傷病休職 | 就業規則、休職規程 | 退職金や社内制度では会社ごとに扱いが異なる |
| 契約更新 | 雇用実態、契約の空白期間 | 実態として継続雇用なら通算される可能性がある |
| 再雇用 | 退職金規程、再雇用契約 | いったん退職扱いか、継続扱いかを確認する |
特に退職金や社内表彰は会社独自の規程に左右されます。一般論だけで判断せず、就業規則、退職金規程、人事部からの案内を確認してください。
よくある間違い
入社何年目と満の勤務年数を混同する
入社2年目は、満2年働いたという意味ではありません。2025年4月入社なら、2026年4月以降に「入社2年目」と呼ぶことがありますが、満の勤務年数はまだ1年台です。
退職金の端数処理を履歴書にも当てはめる
退職所得控除では1年未満の端数を切り上げますが、履歴書や職務経歴書で同じように切り上げて「11年勤務」と書くと、実際より長く見えることがあります。履歴書では年月を正確に書きましょう。
契約書の区切りだけで有給の継続勤務を判断する
短期契約を更新している場合、契約書上は区切りがあっても、実態として継続勤務と見られることがあります。反対に、長い空白期間がある場合は扱いが変わる可能性があります。
勤務年数をすぐ確認したい場合
日付差そのものを確認したい場合は、年数・日数計算ツールを使ってください。入社日を開始日、今日または退職日を終了日にすると、経過年数、月数、日数をまとめて確認できます。
よくある質問
勤務年数と勤続年数は同じですか?
日常会話では近い意味で使われますが、制度上は違う扱いになることがあります。勤続年数は同じ勤務先で継続して働いた期間を指すことが多く、退職金や有給休暇などで使われます。
入社して1年未満の場合、履歴書にはどう書きますか?
履歴書では入社年月と退職年月を正確に書きます。職務経歴書では、必要に応じて「在籍期間:8か月」のように補足できます。短期間の職歴を省略する場合でも、経歴詐称にならないよう注意が必要です。
退職金では10年2か月の勤続年数は何年ですか?
退職所得控除の計算では、1年未満の端数は切り上げます。そのため10年2か月は11年として扱います。
有給休暇は入社していつから発生しますか?
原則として、6か月間継続勤務し、その期間の全労働日の8割以上出勤した場合に発生します。通常の労働者なら最初は10日です。
パートや契約社員でも有給の勤続年数は通算されますか?
実態として雇用関係が継続している場合、契約更新を挟んでも通算される可能性があります。短時間労働者は所定労働日数に応じた比例付与になります。
休職期間は勤続年数に含まれますか?
退職金、社内表彰、昇給などでは会社の就業規則や退職金規程によって扱いが変わります。有給休暇の出勤率計算では、法律上「出勤したもの」として扱われる休業期間があるため、用途ごとに確認が必要です。
入社日当日は勤務年数に含めますか?
日付差を年月日で見る場合は、入社日から基準日までの満年数・満月数で考えるのが実務上わかりやすいです。ただし、法的な期間計算や会社制度では別の基準を使う場合があるため、退職金や休暇制度では該当する規程を確認してください。
参考情報
以下は2026年4月26日時点で確認した公的情報です。税務・労務の制度は改正されることがあるため、実務判断では最新の公式情報も確認してください。
